インディアンジュエリーの意味を解説。人気ブランドも厳選してご紹介!
2024.7.19
目次
インディアンジュエリーとは?定義や歴史について考える
世界中で大人気のインディアンジュエリーは、ここ日本でも時代を問わず、多くの人々を魅了し続けています。
今回は、インディアンジュエリーの起源・歴史や部族ごとの特徴、モチーフの意味、人気のブランド・有名店などについて詳しくご紹介します。
インディアンジュエリーとはどんなジュエリーか
インディアンジュエリーとは、先程もお伝えしたとおり、「インディアン(ネイティブアメリカン)」と呼ばれるアメリカの先住民が作ったジュエリーのことです。
なお、現代ではインディアンという呼び方は差別的な言葉とされていることから、本記事では以降、ネイティブアメリカンと呼び方を統一します。
インディアンジュエリーの最大の魅力は、現地の自然や神話を元にした神秘的なモチーフです。美しいターコイズや、 独特な技法を用いた芸術的な細工などもインディアンジュエリーの特徴といえます。
ちなみに、アメリカ国内ではネイティブアメリカン以外が製作したジュエリーをインディアンジュエリーとして販売することは違法とされています。
一方日本においては、そのような法的な規制はありません。インディアンジュエリーの文化や技術、デザインに敬意を持って作られた、いわゆる「インディアンジュエリー風」のジュエリーを販売しているブランドも、たくさん存在します。
インディアンジュエリーの起源・歴史
インディアンジュエリーの歴史は、中世の大航海時代までさかのぼります。
1492年、クリストファー・コロンブスが、現キューバ付近にあるサン・サルバドル島にたどり着き、ネイティブアメリカンたちと出会いました。
最初は友好的だった両者ですが、その後、ネイティブアメリカンたちは迫害を受け、生まれ育った土地や資源を奪われていきます。それでもネイティブアメリカンたちは、生き抜く術を身に付けようと必死でした。
1850年頃、ネイティブアメリカンの部族の一つ、ナバホ族のアツィディ・サニが、メキシコ人の銀細工師、ファンアネアから銀細工を教わりました。その後、西洋との戦いに降伏したナバホ族は、強制収容所で馬具作りや修理の仕事に携わるようになります。
その過酷な状況の中、ナバホ族の人々は、アツィディ・サニを中心として、余った材料や銀硬貨を使ってリングやブレスレットなどを作るようになりました。諸説ありますが、これがインディアンジュエリーの起源といわれています。
その後、先祖伝来の土地に戻ることを認められたナバホ族たちは、西洋人やメキシコ人との交流の中で、さらに銀細工の技術を習得していきます。そして、1870~1890年頃、現代のようなインディアンジュエリーの原形ができあがったといわれています。
インディアンジュエリーの「4大部族」とは
ネイティブアメリカンたちは、居住している地域や文化の違いなどによって、いくつかの部族に分けられます。本項目では、インディアンジュエリー作りで有名な4つの部族について、簡単にご紹介します。
ナバホ族
アリゾナ州北東部からニューメキシコ州にまたがる砂漠地帯に居留する種族で、ネイティブアメリカンの中で、もっとも人口の多い部族です。また、もっとも古くからインディアンジュエリーの製作を行っていた部族といわれています。
ナバホ族のインディアンジュエリーは、「スタンプワーク」と呼ばれる技法で模様を付けた、温かみのあるデザインが特徴です。
ホピ族
アリゾナ州北部に居住する部族で、ホピとは「平和の民」を意味します。
2枚の銀板を重ね、模様に立体感を生み出す「オーバーレイ」という技法が、ホピ族のインディアンジュエリーの特徴です。
ズニ族
人口12,000人ほどの部族で、ターコイズやサンゴ、シェルなどを細かくカットし、シルバーの土台に埋め込む「インレイ」という技法を得意とします。
自分たちの精神文化を大切にしており、精霊や神話の登場人物をモチーフに多用するのも、ズニ族のインディアンジュエリーの特徴のひとつです。
サントドミンゴ族
ニューメキシコ州の北側、サンタフェの近くに居住する部族で、シルバーを使わない独自のインディアンジュエリー作りを今でも行っています。
近くに流れるリオグランデ川で採取した貝や石を使って、「ヒシ」と呼ばれるビーズを作り、それを紐に通したネックレス作りが有名です。
インディアンジュエリーのモチーフの意味とは
インディアンジュエリーにはさまざまなモチーフがあり、それぞれに意味が込められています。愛好家の間では、自身の願いや想いにぴったりのモチーフが刻印されたインディアンジュエリーを、お守り代わりに身に付けるのも人気です。
本項目では、インディアンジュエリーでよく使われるモチーフとその意味について解説します。
「自然」をモチーフにしたもの
サンバースト
サンバーストは、太陽の光をモチーフにしたものです。放射状に線が伸びているのが特徴です。
ウォーターランニング
水の流れを表現したモチーフです。「人生のサイクル」「再生」の意味も含まれていて、古い遺跡などにも描かれています。
サンダークラウド
雷をモチーフにしたサンダークラウドには、恵みの雨をもたらすほか、パワーとスピードの象徴という意味も含まれています。
「生き物」をモチーフにしたもの
イーグル
イーグルはネイティブアメリカンたちの間で、神の使いとして崇められています。物事を俯瞰し冷静な判断を下せるとも考えられ、名声やリーダーシップの象徴とされています。
ウォーターバード
カモなどの水鳥の事を指します。水鳥を追うことで水源にたどり着けることから、行くべきところを指し示してくれると考えられています。
タートル
水の守り神であり、長寿と健康の象徴とされています。ズニ族の間では「死に対抗する力を持つ」としてカメのお守りを薬袋に着ける風習があったそうです。
トカゲ
知性の象徴であり、地上のすべてを知り尽くす動物とされ、地上の守り神として言い伝えられてきました。
バタフライ
美しさや幸運、生命力やエネルギー、姿を変えて成長していく姿から、変化や喜びの象徴として考えられています。
バッファロー
「平和」「感謝」「魔除け」「強さ」「勇気」といった意味を持つとされています。神聖な動物として崇拝の対象にしている部族もあります。
ハミングバード
ハミングバードは、幸運を呼ぶハチドリを表します。「親愛」「信頼」のモチーフとしてよく使われています。
ヘビ
脱皮を繰り返すことから再生・変身・進化の象徴といわれています。また大地を張って進むことから、忍耐力・努力の象徴とも考えられています。
ベア
パワーと癒しの象徴。ネイティブアメリカンたちは、ベアクロウ(熊の爪)を身に着けることで、病気や災いのお守りにしていました。
「精霊・神話」をモチーフにしたもの
アローヘッド
アローヘッドとは矢じりのことを表し、「守り」という意味があります。ブロークンアロー(折れた矢)は「平和」を、クロスアロー(交差した矢)は友情を示すモチーフとなります。
サンダーバード
雷を呼ぶとされる伝説の鳥。雷と共にもたらされる恵みの雨のイメージから、ネイティブアメリカンたちの間では「幸福をもたらす鳥」として言い伝えられています。
スワティカ
考古学では、太陽を模したモチーフといわれています。ナバホ族にとっては幸運のモチーフで、「ラブ」「ライフ」「ラック」「ライト」の4つのLを合わせたものと考えられています。
ナジャ
子宮や三日月をかたどったモチーフといわれています。ネイティブアメリカンの正装にも取り入れられ、「護符」の役割を持つとされています。
インディアンジュエリーの人気ブランド5選
これからインディアンジュエリーを手に入れるなら、まずは人気ブランドや有名店の商品をチェックしてみるのがおすすめです。ここで、インディアンジュエリーの人気ブランドや有名店を、厳選して5つご紹介します。
人気ブランド1:goro’s(ゴローズ)
ゴローズは、日本のインディアンジュエリーの第一人者ともいわれる高橋吾郎氏により、1972年に設立されたインディアンジュエリーブランドです。ネイティブアメリカンから直接を学んだという技術やデザインは、日本で買える本格的なインディアンジュエリーとして絶大な人気を誇ります。
人気ブランド2:powwow(パウワウ)
パウワウは、東京・上野に本店を構えるインディアンジュエリー専門店です。インディアンジュエリーアーティストとコラボしたオリジナル商品のほか、ナバホ族・ズニ族・ホピ族のインディアンジュエリーやハンドクラフトなどを厳選して販売しています。
人気ブランド3:STUDIO T&Y(スタジオ T&Y)
スタジオ T&Yは、村田高詩氏と笹山由美子氏のコンビによるインディアンジュエリーブランドです。曲線的で柔らかいデザインが魅力で、女性やインディアンジュエリー初心者でも身に付けやすいと人気のブランドです。
人気ブランド4:WINGLOCK(ウィングロック)
ウィングロックは福岡を拠点とするインディアンジュエリーブランドです。ブランド名は、ナバホ族が聖なる山として崇める実在の岩山が由来となっています。オーナー自身が本場アメリカで習得した、本格的なデザインが魅力です。
人気ブランド5:ARIZONA FREEDOM(アリゾナフリーダム)
東京と千葉に4店舗を構えるアリゾナフリーダムは、「自然との共生」をテーマに掲げた、どこかぬくもりを感じられるデザインで人気のインディアンジュエリーブランドです。すべてのショップに工房が併設され、職人との距離が近いのも魅力のひとつです。
インディアンジュエリーを自分で作るには
インディアンジュエリーを愛でる方法として、購入して身につけるだけでなく、自分自身で作って楽しむというやり方があります。
手先がものすごく器用でないとムリ、なんてことはありません。
東京・恵比寿にあるジュエリースクール「ラヴァーグ」の「インディアンジュエリーコース」であれば、インディアンジュエリー制作について、基礎から効率的に学ぶことができます。
「興味はあるけれど、自分にできるかどうか不安」という方はぜひ、「1日体験コース」を受講してみてください。
体験では、ナバホ族が得意とする「スタンプワーク」という技法を使って、バングルを制作します。
ジュエリー制作未経験でも、まったく問題なし!
普段はジュエリー職人として活躍する講師がしっかりサポートしてくれるので、誰でも気軽にチャレンジできますよ。
1日体験コースの詳細
開催日:
毎日開催(ご予約は先着)
開始時間:
・A 10:30~(月曜日は11:30~)
・B 14:30~
・C 18:30~
参加費:
¥16,500-(材料費込み)
予約方法:
以下ページ内の申し込みフォーム、または電話
申し込みフォーム:https://lavaguejewelry.com/course/indian/indian-expelience/
TEL:03-5789-3554
インディアンジュエリーの基礎知識まとめ
インディアンジュエリーはネイティブアメリカンの歴史の中で生まれ、願いや想いをモチーフに込めて、現代まで受け継がれてきました。
そんなインディアンジュエリーは、日本でも気軽に購入することが可能ですが、本当に気に入ったものを手に入れたいなら、自分自身で手作りするのもひとつの案です。
今回ご紹介したラヴァーグのようなジュエリースクールでの受講も検討していただき、お気に入りのインディアンジュエリーを手に入れてくださいね。