天然石・宝石・パワーストーンの違いとは?ジュエリー選びが楽しくなる宝石のお話
2024.7.30
天然石・宝石・パワーストーン、違いは何?
「天然石」と「宝石」と「パワーストーン」、いったい何がどう違うの?
同じ種類の石に見えるのに、ブランドやショップによって呼び方が違うのはなぜ?
そんなふうに疑問に思う方も少なくないのでは。
本記事では、天然石・宝石・パワーストーンの違いや、宝石の種類、宝石の選び方を、初心者にもわかりやすく解説します。
さらに誕生石や星座石についてもご紹介しますので、ジュエリー・アクセサリー選びに迷っている方はぜひ、参考にしてみてくださいね!
実は、明確な区分はない
結論からお話しすると、天然石・宝石・パワーストーンの分け方に、明確な決まりがあるわけではありません。
その石をどう呼ぶかは、ブランドやショップ次第。同じ種類の石でも天然石と呼ばれたり、パワーストーンと呼ばれたりするのです。
とはいえ「こういう場面では、天然石という言葉が使われることが多い」「◯◯という意味を込めて、パワーストーンと呼ぶ場合がある」といった違いは存在します。
ここからは、それぞれの言葉の使われ方や特徴を見ていきましょう。
※天然石の展示会、ミネラルショーについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
天然石とは、どんな石のこと?
天然石とは、鉱物などから取り出された石全般を指します。つまり、人工的に作られた石以外はすべて天然石と呼ぶことができます。
すなわち、ジュエリーショップの宝石も道端の石ころも、どちらも天然石ということです。
ジュエリーやアクセサリーの世界においては、人工的に作られた宝石である「人工石」と区別するため、「天然石」という言葉が使われる事が多いです。
ただし実際は、色素などで着色したものや、化学変化によって品質加工されたものであっても、ものによっては天然石と呼ぶ場合があります。
なお、人工石よりも天然石の方が価値が高いとされていることは、言うまでもありません。
しかし、本来は色や硬度が足りずに捨てられてしまう石たちが、美しいジュエリーやアクセサリーに姿を変えていると考えれば、人の手を加えるということは必ずしも悪いことではないでしょう。
パワーストーンとは、どんな石のこと?
天然石というのは、地球の内部で長い年月を経て生まれます。もっとも身近な天然石の一つであるダイヤモンドは、なんと、数億年もの時間をかけて作り出されたものだそうです。
ダイヤモンドが作り出されるには、非常に高い圧力や温度など、さまざまな条件が必要となります。そう考えると、たった一粒の小さな天然石にも、壮大なパワーが感じられますよね。
古代の人々も同じように、天然石に対して目に見えない不思議な力を感じていたようです。昔から一部の天然石には、ヒーリング(癒やし)効果や、願い事を叶えるといったスピリチュアルな力があるとされてきました。これがパワーストーンの起源です。
代表的なパワーストーンには、水晶やタイガーアイ、アメジスト、ラピスラズリなどがあげられます。
実際のところ、パワーストーンにそのような力があるかどうかは、科学的には証明されていません。とはいえ、パワーストーンを身に着けることで元気が出たり、安心した気持ちになったりという経験がある方もいるのでは。
実際的なパワーはさておき、パワーストーンは私たちの気持ちや行動に変化をもたらす可能性を秘めた存在といえるでしょう。
またパワーストーンの中には、「誕生石」や「星座石」というカテゴリがあります。
- 誕生石:1月から12月までの各月に当てはめられた石のこと。自分の生まれた月の石(=誕生石)を身につけると幸せが訪れると言われている。
- 星座石:星座ごとに当てはめられた石のこと。自分の星座の石(=星座石)を身につけると運気が上がると言われている。
ぜひパワーストーン選びの参考にしてみてくださいね。
宝石とは、どんな石のこと?
簡単に説明すると、天然石の中でも一部の、とくに美しい石のことを「宝石」と呼びます。「美しさ」の条件は国によって異なるため、ここでは世界でも基準が厳しいとされる日本の定義で解説していきます。
日本での宝石の定義は、次の3つのポイントが重視されます。
- 外観の美しさ
- 希少性の高さ
- 耐久性(特に硬度)の高さ
「外観の美しさ」は、宝石の色や透明度、輝きなどによって決まってきます。
「希少性の高さ」とはすなわち「珍しさ」のことで、採取量の少ない宝石ほど希少性が高く価値が高いとされます。
「耐久性の高さ」とはすなわち「宝石の硬さ」のこと。代表的な宝石の硬度の表し方には「モース硬度」や「ヌープ硬度」があります。これらを簡単に説明すると、宝石をこすり合わせたり圧力をかけたりしたとき、どのくらいの力で傷が付くかを調べ数値化したものです。
ご存知の方も多いように、地球上で最も硬い石というのはダイヤモンドです。ダイヤモンドはモース硬度、ヌープ硬度ともに最高値を誇ります。
次に硬度が高い宝石がルビーとサファイア、次いでエメラルドという順になっています。
宝石の種類
現在、世界中で宝石と呼ばれる石は約200種類あります。さらに新しい宝石が加わることもあるので、長年、宝飾に関わっている人たちでも初めて聞く宝石の名前というのは少なくないそうです。
宝飾のプロでない人間が宝石を見分けるのは至難の技。そこで、ジュエリーやアクセサリーを購入するときに備えて、次の2つの知識を身に付けておきましょう。
貴石と半貴石
宝石の中でも特に貴重とされている石のことを「貴石(きせき)」と呼びます。貴石は需要が高く、高値で取り引きされます。
代表的な貴石には、ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドがあり、これらは「4大貴石」とも呼ばれます。その他にも翡翠(ひすい)、アレキサンドライト、トパーズなどが貴石として扱われます。
貴石以外の石は「半貴石(はんきせき)」と呼ばれ、貴石よりも比較的安価で取引されます。半貴石には、アメジスト、シトリン、トルコ石、オパールなどがあります。
貴石か半貴石かを決めるのにはっきりした定義はありません。最近は特に区別をせず「カラーストーン」とまとめて呼ぶことも多いようです。
天然宝石と人工宝石
宝石には天然石から取り出された天然宝石と、人工的に作り出された人工宝石があります。代表的な人工宝石には、キュービックジルコニアがあります。
人工宝石は天然宝石よりも価格が低く、工業用に使われることが主流ですが、キュービックジルコニアは色も屈折率もダイヤモンドに非常に近いことから、ジュエリーやアクセサリーとしても多用されています。
宝石の選び方のポイント
宝石選びでは、石の種類だけでなく、品質(グレード)についても考える必要があります。当然、品質が高くなるほど値段も上がります。
とはいえ、すべてのジュエリー・アクセサリーにお金をかけられるわけではないですよね。用途や目的によって、賢く宝石をチョイスしましょう。
ブライダルジュエリー
もっとも高品質の宝石を選ぶべきなのはブライダルジュエリーです。
ブライダルジュエリーの代名詞とも言えるダイヤモンドには、「4C」と呼ばれる国際的な品質基準があります。「4C」とは、「Carat(重量)」「Color(色)」「Clarity(透明度)」「Cut(形や研磨の状態)」の4つの頭文字を組み合わせたもの。
特に婚約指輪ではダイヤモンドの大きさを左右する「Carat(重量)」が重視されがちですが、一概に大きさだけがダイヤモンドの価値を決めるわけではありません。
予算内でもっとも品質の高いダイヤモンドを選ぶには、ショップスタッフなどプロの意見も参考に、4Cのバランスがいいものを選ぶのがおすすめです。
※「カラット」や「4C」について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
普段遣いのジュエリーやアクセサリー
普段使いのジュエリーやアクセサリーでは、使用したい頻度や期間によって宝石を選び分けるのが賢い買い方です。
ファッションジュエリーなどの流行重視のジュエリーやアクセサリーには、人工宝石やお手頃な天然石などを取り入れると、コスパがいいでしょう。
反対に、お守りのように毎日身に着けたいという場合は、硬度が高く見た目もできるだけきれいな宝石を選ぶことで、日常使いに耐え、目にしたときの気分も上がるはずです。
特別な日のためのジュエリー
パーティーや冠婚葬祭など特別な日に使うジュエリーでは、宝石の種類を重視しましょう。
特に結婚式では主役である花嫁より目立ってしまわないよう、輝きが控えめな宝石を選ぶのがマナーです。特におすすめなのは、パールのネックレスやイヤリング。昼夜問わず使えて上品な華やかさがあるので結婚式にぴったりです。
もちろん二次会や謝恩会といったパーティー全般にも使えるので、一つ持っていれば使い回しがききます。
ただし、黒真珠は不祝儀用となり結婚式にはNGなので、注意してくださいね。
天然石・宝石・パワーストーンの違い・まとめ
天然石やパワーストーン、宝石には数え切れないほど種類があるため、選ぶ難しさも、楽しさも無限大です。
普段からたくさんのジュエリーやアクセサリーを見ることで、どんな石が自分の好みに合うかというのがわかってきます。
一番大切なのは身に着けた際しっくり馴染むものや、気に入ったものを選ぶこと。ぜひこの記事を参考に、お気に入りの一点を選んでくださいね。